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水道事業の昨年度決算はどうだった?

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昨年度は約7,200万円の赤字。しかし、例年ベースでみれば1億7千万円ほど黒字。

 射水市の水道事業。昨年度の決算は約7200万円の赤字でした。

 しかし、この昨年度決算の赤字には特別な事情があります。昨年、公営企業会計制度の大幅見直しがおこなわれ、退職給付引当金に約2億4000万円を積む必要が出てきました。この多額の費用計上は昨年度一年限りの対応と説明されています。

 例年ベースでみれば、やはり昨年度も大幅黒字、1億7千万円程度の黒字だったとみることができます。これは水道料を値下げする余裕があるということを示しています。

県水の値下げによる負担軽減は「約4,000万円」(市当局)。高岡市のように値下げに生かすべきでした。

 昨年度、県水(県のダム、浄水場から買っている水)が値下げされました。これによる経費減は、当時の説明では2800万円とされていましたが、決算では約4000万円にのぼりました。

 県水の値下げは、これを買って水道事業をしている県西部自治体の水道料がのきなみ高いことから県がすすめているものです。高岡市、小矢部市ではこの県水値下げを受けて水道料を値下げしました。

 4,000万円といえば水道料金収入20億円の2%にあたる額。射水市も値下げに踏み切るべきでした。

未処分利益剰余金(累積黒字)から5,900万円を資本金に組み入れ――決算委員会で反対しました。

「未処分利益剰余金」とは水道料から諸経費を引いて残ったお金です。繰り越しもあり昨年度末では約1億7,000万円ありました。今回、この中から資本金に5,900万円を組み入れようとしています。これに私は反対しました。

資本金に組み入れるとどうなる?

 赤字を補てんする財源としては使えなくなります。市当局は「水道事業は将来赤字になる」としていますが、その時に値上げを抑えることができなくなります。

 また、たとえ施設整備にこのお金(原資は水道料)を充てたとしても、再び翌年から「原価償却」として元金分を水道料から回収していきます。市民にとっては水道料の二重取りとなります。

 

「津本ふみおレポート」№167 2015年11月22日

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