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県知事へ予算要望ー暮らしをささえ、いのちを守り、中小企業支援の県政を

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県の次年度予算編成のこの時期、党富山県委員会として知事に対する要望交渉を行っています。12月26日、上田俊彦党富山県委員長、ひづめ弘子県議、高瀬あつこ党高岡市県政対策委員長と共に、津本ふみおは予算交渉に参加しました。新型コロナで陽性が判明した新田富山県知事に代わって、 蔵堀祐一副知事が応対されました。

2022年12月26日

富山県知事 新田八朗 殿

2023年度富山県予算編成についての要望書

日本共産党富山県委員会

委員長 上田 俊彦

( はじめに )

 県勢発展のため、連日ご奮闘いただいていることに感謝申し上げます。

 新田県政がスタートして2年余りとなり、知事が編成する当初予算案も2回目となります。わが党は、来年度の予算案が、県民のいのちと暮らし、地域の中小零細企業や地場産業を守る予算となるよう心から期待しております。

 今年度の予算には、わが党も要望した子どもの医療費助成の対象拡大と窓口無料化が盛り込まれました。その結果、市町村の負担があわせて1億5,000万円軽減され、今年度から来年度にかけて18歳までの医療費無料化が県内の12自治体にまで一気に広がったことを喜んでいます。

 また、今年10月から国が75歳以上の医療費に2割負担を導入しましたが、県と市町村が協力し高齢障害者の値上げ分を負担したことで、障害者の負担増を回避することができました。その他、35人学級の拡大と県単独での教員数確保、西部水道水供給事業の2年連続での単価値下げと「二分料金制」の導入などを歓迎しています。

 今回の県予算編成は言うまでもなく、コロナ禍の長期化と激しい物価高騰で、県民生活がより深刻な状況下で行われます。中小業者には、コロナ関連融資の債務返済も迫られています。ところが、政府の「総合対策」は、あらゆる分野で物価が高騰しているにもかかわらず、ガソリンや輸入小麦、電気・ガス料金の抑制など、部分的・一時的対策に終始しています。最低賃金は引き上げたと言っても県内では31円増に止まり、物価上昇分にもなりません。物価が上がっているのに国が年金を引き下げ、75歳以上の医療費2割負担を導入するなどは、高齢者の将来不安を広げ、消費を冷え込ませるという点で「ウェルビーイング向上」にも、経済対策にも逆行する悪政と言わなくてはなりません。

 だからこそ県が、「県民福祉の増進をはかる」という自治体の役割にそって、県民の賃金と個人所得の増大、雇用の安定、子育て支援や高齢者福祉、農林水産業への支援、省エネと再エネの普及によるゼロ・カーボン戦略などを、強力に推進することが切実に求められています。

 加えて、わが党は岸田内閣が12月16日に、「反撃能力」保有と大軍拡、軍事費増額など「安保3文書」を閣議決定したことに強く抗議します。国会にもはからずに、これまでの憲法解釈を覆し、日本の平和も国民生活も壊すものであり、政治的立場の違いを超えて撤回を求めていきたいと思います。

 以上の立場にたち、来年度の県予算編成に対する要望書を提出いたします。

( 重点要望事項 )

  1. 県の成長戦略の柱に、県民の家計所得、家計消費の拡大策や、地域循環型経済と県内産業への支援をしっかり据えること。
  2. 公の施設を県外大手ゼネコンの利潤追求の場として提供し、県内中小企業の事業参入が難しくなるPFIの採用は行わず、県民サービスの充実を図る立場から、県内中小企業が参入しやすい分離分割発注を採用すること。
  3. コロナ感染のクラスター防止のためにも、医療・介護・福祉施設での頻回検査の実施とあわせて、抗原検査キットの無料提供を行うこと。
  4. 県厚生センターのさらなる職員増員、体制強化を行うこと。
  5. 厚生労働省が再編統合の検討を求めた県内の公的病院の経営を守るとともに、病床の削減数をかかげた地域医療構想の推進は行わないこと。
  6. 子どもの医療費助成制度の対象を、さらに小学校卒業まで引き上げるとともに、一部負担金を廃止し、石川県の医療機関を受診しても窓口無料となるようにすること。
  7. 子どもの貧困が拡大している。学校給食の無償化を国に求めるとともに、市町村と協力し県としても取り組むこと。
  8. 子ども食堂の取り組みを広げるために、月一回の開催であっても立ち上げへの支援を行うよう、市町村とともに取り組むこと。
  9. 加齢性難聴者への補聴器購入に支援すること。
  10. 認知症SOSネットワークと障害保険加入制度については、全県的に統一した制度となるよう県事業として取り組むこと。
  11. 全国一律1500円の最低賃金制度の実現をめざし、県内最低賃金のさらなる引き上げを働きかけ、県内の賃金底上げをはかること。
  12. 飼料、肥料、資材高騰のなかで、厳しい経営に直面する農業生産者に対する損失補填などの緊急支援を国に働きかけるとともに、県としてもさらなる支援を行うこと。
  13. 「富山県子どもの権利条例(仮称)」制定を検討すること。
  14. 小学校6年生への35人以下学級の導入にあたっては、学級担任を正規教員で確実に増員配置すること。小規模校でゆとりある学校運営に貴重な役割を果たしてきた少人数指導教員などの継続配置を含め、必要な体制を確保するため、県単独定数も使って教員を増員配置すること。
  15. スクール・サポート・スタッフ、緊急スクール・サポート・スタッフ、ICT支援員を、新年度も引き続き継続配置すること。学校現場でパソコン管理に当たる教員、スタッフの校務や授業の負担を軽減すること。
  16. すべての県立学校に養護教諭が引き続き配置されるよう、県単独であっても養護教諭の確保、配置が後退しないよう取り組むこと。
  17. 県立学校特別教室のエアコン設置を急ぎ、設置計画を早期に完了させること。
  18. 県職員と教職員の地域手当を、関係職員組合とも十分協議し、県内一律支給に変更すること。
  19. 県立学校や県立施設のトイレに、自由に使える生理用品を配備すること。
  20. 部長級に女性登用を増やすなど、女性の県幹部職員の登用を拡大すること。登用にあたってはできるだけ、国からの派遣ではなく、県庁内からの抜擢とすること。
  21. 大門、福岡、入善駅など、あいの風とやま鉄道駅構内のエレベーター設置を促進すること。
  22. IPCC報告が提起する「2030年までに2010年水準から45%削減」を踏まえ、県ゼロ・カーボン戦略のCO2削減目標を2010年比で50%以上とすること。
  23. 県がこれから新築・増築する県立大学新棟、県武道館、児童相談所などの施設は、県の「率先行動」として、積極的にゼロ・カーボン化(ZET化)に取り組むこと。
  24. インボイス制度の中止を国に求め、県内のフリーランス、個人事業主を含む零細業者を守ること。
  25. 憲法に違反し、日本を戦争の危険に巻き込む敵基地攻撃能力の保有、そのための軍備増強と大増税に反対すること。

( 分野別要望項目 )

(1)県民の暮らしを応援し、消費購買力の回復を
 
1.        原油価格高騰が続いていることから、低所得者のための福祉灯油、介護・福祉施設の燃料代への支援を市町村と協力して行うこと。
2.        消費税を5%に戻すことを政府に働きかけるとともに、法人税減税中止や富裕層への課税強化などによる代替財源の確保を求めること。
3.        消費税10%への増税で、県民の実質賃金はさらに低下し、年金の受取額も減少している。県民の暮らしを直接応援する施策を充実すること。
4.        県内経済界に、従業員の正規雇用の拡大と、内部留保を活用した大幅賃上げを働きかけること。
5.        会計年度任用職員のうち最低賃金ギリギリになっている職員の時給を大幅に引き上げること。
6.        富山労働局と連携し、長時間残業の是正とブラック企業対策に全力をあげること。
7.        「労働ルールブックとやま」の充実をはかり、県内高校、短大、大学での配布や説明会の機会を増やすこと。学校教育において、労働法制に関する教育の機会を増やすこと。
8.        劣悪な労働条件で働く外国人労働者の実態を調査し、国に制度の改善を求めること。
9.        県内市町村による住民税・国民健康保険料(税)への機械的差し押さえの増加を是正し、生活の苦しい滞納者への個別的対応を指導するとともに、課税免除や分納方法などの周知に努めるよう働きかけること。
10.       県西部水道水供給事業における受水団体の負担を引き続き軽くすること。境川ダムの未利用水については他用途への転用を検討すること。
11.       水道料金が源泉である未処分利益剰余金については、資本金に組み入れるのではなく住民の負担軽減に使えるように利益剰余金に残しておくこと。
 
(2)「地域循環型経済」を重視し、県の産業を元気に
 
12.       農林水産業と第二次産業、自然エネルギー開発と観光、福祉などを結合した地域循環型経済のモデル地域を、市町村と協力して積極的につくり広げること。
13.       県内ものづくり産業支援のために、県が市町村とともに中小零細企業を訪問する悉皆実態調査に取り組むこと。
14.       「県中小企業振興条例」にもとづく県民会議の活用を拡大し、課題別分科会の討論や取り組みをさらに充実させ、いかすこと。
15.       県の地元中小企業への発注率について目標を設定し改善すること。
16.       観光における「地元調達率」「地域調達率」を可視化し、必要なものを地元で生産して、利益とやる気を地域に循環させ、活力も高める取り組みに挑戦すること。
17.       観光における地元調達率について、食材やお土産だけではなく建設や資材、雇用、地産地消エネルギーなど定義を幅広く据えること。
18.       再エネ電力を集めて小売りをする、県あるいは市町村も出資する地域エネルギー会社の設立について、県として研究検討すること。
19.       小水力発電や太陽光、地熱発電など、企業局がつくった電気は地域分散型で供給できるように取り組むこと。
20.       ソーラーシェアリングは農地保全、農家の収入増、地域活性化につながる可能性があり促進に取り組むこと。
21.       県内商店街支援と零細な建設業者を支援するために、「商店街リフォーム助成制度」「空き店舗リフォーム助成制度」を創設すること。
22.       入札資格のない小規模事業所でも県の随意契約に参加できる「小規模事業所登録制度」を実施すること。
23.       「とやまの木で家づくり」事業を拡充し、県産材の利用促進をはかること。
24.       地籍調査の遅れ克服のために、国に予算化を求め、市町村とともに取り組むこと。
25.       県制度融資における税金完納要件については、機械的な対応を改め、分納計画にもとづいて納入している業者も融資の対象とするなど、柔軟に対応すること。
26.       政府の責任で米を買い上げ市場から隔離し、ミニマムアクセス米の輸入を縮小するなど米価下落対策を政府に求めること。
27.       学校給食の地産地消をすすめ、学校給食に使う園芸作物の供給体制を抜本的に強化すること。オーガニック給食の普及に取り組むこと。
28.       学校給食への使用拡大など、県内産豚肉の県内消費拡大のために支援すること。
29.       県産小麦の生産拡大に取り組み、学校給食の麺やパンへの使用拡大にもつなげること。
30.       県農業振興センターなどの技術普及員を増員し、技術指導体制を強化すること。
31.       薬用作物の生産拡大に取り組むとともに、県産シャクヤクのブランド化と、県産薬用作物の「富山産」としての商品化を推進すること。
32.       農家の高齢化に伴う農業機械による事故を防ぐための研修などに、助成を行うこと。
33.       土壌改良資材の購入に対する県独自の支援を復活させること。
34.       中山間地域での鳥獣被害対策を強化し、総合的な被害対策への助成を拡充すること。コロナ禍で稼働していないジビエ加工処理施設への支援を行うこと。
35.       県種子条例にもとづき、県が引き続きこれまでどおりの役割を果たすとともに、県内の優良種子生産に県が、責任をもって引き続き取り組むこと。県の奨励品種の種などの民間への提供は、将来にわたって行わないこと。
36.       黒部川のダム連携排砂の富山湾への影響を最小限に食い止めるため、可能なかぎり年数回出水期にゲートを解放し、自然流下に近づけるよう求めること。
37.       黒部川のダム排砂で、漁業者は「濁水による魚類等への直接的・間接的影響調査」を求めている。排砂実施機関に調査を実施するよう働きかけること。
38.       県内製薬企業の法令違反の再発防止について、業界まかせではなく、県がしっかりとした自己分析と再発防止策を示すこと。
 
(4)医療・介護・福祉の充実を
 
39.       コロナ禍で重要な役割を果たしてきた医療、介護従事者へのさらなる賃上げ、処遇改善を行うこと。
40.       クラスターの発生などで閉所せざるを得なかったデイサービスなどの減収に対する損失補填を行うこと。
41.       国の社会保障予算の自然増抑制に反対し、年金引き下げ、介護利用料の負担増やケアプランの有料化、要介護者への通所サービスの介護保険外しを実施しないよう、国に働きかけること。
42.       病院・介護施設などの消費税負担の解消を国に求めること。
43.       介護施設における補足給付の要件変更について、県内における影響を把握し国に改善を求めること。
44.       特別養護老人ホームの待機者の解消をめざし、特養ホームの増設を行うこと。所得の低い高齢者が入所できる施設の建設に取り組むこと。
45.       介護報酬の大幅引き上げを国に求めるとともに、その影響を調査する介護実態調査を実施すること。
46.       介護人材養成校の学生用の奨学金を、支援額をふくめて拡充すること。
47.       要支援1・2の通所介護・訪問介護の市町村総合事業の実態を県独自につかみ、国に改善を働きかけること。
48.       成人患者のための、てんかん診療外来を、富山大学付属病院に開設するよう働きかけること。
49.       障害者サービスの利用者が、65歳になっても必要に応じて引き続き同じサービスが受けられるよう、柔軟な対応を行うよう市町村に周知・徹底すること。
50.       「富山マラソン2023」でも、車いすランナーをはじめ障害を持ったランナーが気持ちよく参加できるよう条件整備を行い、参加者も増えるように取り組むこと。
51.       手話通訳士の資格を持つ県職員を採用・確保すること。
52.       盲ろう者用の通訳派遣事業の予算を増額確保し、盲ろう者の実態調査や通訳者の増員、盲ろう者支援センターの設置などに取り組むこと。
53.       地域密着型介護施設を他の市町村から利用する方々や、送迎する事業者の事務的、経済的負担を軽減するため、県が積極的に支援すること。
54.       繊維筋痛症患者への支援に取り組むとともに、県立中央病院に「いたみ外来」を開設すること。
55.       マイナンバーカードと保険証の一体化に反対し、医療機関にマイナンバーカード導入を押し付けないこと。
56.       県立中央病院をはじめ県内公立病院にタイムカードを導入し、未払い残業と長時間労働を是正すること。
57.       大学医学部の定員数を2023年度以降削減する方針について、見直しを国に求めること。
58.       国民健康保険の国からのさらなる財政支援を求めるとともに、子どもにかかる均等割りの軽減について、全額減免、高校卒業までの拡大など軽減措置のさらなる拡充を行うこと。
59.       国民健康保険料(税)水準の県内統一化を行わず、市町村の自立性を尊重すること。
60.       国民健康保険料(税)滞納者への機械的差し押さえを行わないよう、市町村に働きかけること。
61.       国保料軽減制度について、コロナによる減収だけでなく、病気等による離職の場合でも適用されるよう制度の拡充を国に働きかけること。また県単独としても検討すること。
62.       生活保護相談窓口を、申請権を侵害することがないよう改善するとともに、生活保護の扶養照会は基本的に本人が同意した相手に限ること。
63.       県が発行する生活保護の「しおり」を改訂し、通院のための交通費支給を明記するなど最近の全国的事例、国の解釈を踏まえたものにすること。市町村にも改善を働きかけること。
64.       厚生センターの食品衛生監視員を増員し、食品検査体制を強化すること。
65.       県手話言語条例の普及のために予算を確保し、その具体化に積極的に取り組むこと。
66.       富山県美術館の障害者への案内の充実、展示ブロックの充実、階段の手すりの切断の解消など、バリアフリー化を推進すること。
67.       精神障害者の精神科以外の医療費助成については、重度とともに中度障害者も県単独医療費助成の対象とすること。
68.       過疎化、高齢化の中で、地域力も減退しており、高齢者・障害者宅の除排雪作業に対する補助事業を拡大すること。
69.       女性相談センターの婦人相談員の増員と常勤化、正規雇用化をはかること。
70.       とやま被害者支援センターの運営費補助金確保を国に要望するとともに、相談体制と運営費の充実をはかること。
71.       人口減対策、特に若者人口の定着のために、家賃補助、住宅補助の創設を行うこと。
 
(5)子育て支援の充実で実効性ある人口減少対策を
 
72.       放課後児童クラブの指導員の処遇改善に取り組むこと。放課後児童支援員等処遇改善事業や、放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業の実施を市町村に強力に働きかけること。
73.       ひとり親家庭の子どもの夏休みの放課後児童クラブの負担軽減は、所得制限をなくして、市町村が使いやすいように改善すること。
74.       県内保育士の正規雇用化と、処遇改善に取り組むこと。国の保育士配置基準の見直しを求め、保育の質を向上させること。
75.       病児病後児保育の普及拡大に取り組むこと。
76.       政府がすすめる待機児童対策のなかで、保育資格のない保育士が配置できる事業所内保育所などの認可外保育施設であっても、資格のある保育士が配置されるよう働きかけ、支援すること。
77.       子どもの貧困対策に積極的に取り組み、全県的な実態調査と対策計画の策定に取り組むこと。
78.       ヤングケアラーの実態調査を行い、精神的にも経済的にも支援の体制を作ること。
79.       県児童相談所の建て替え、設備機能の強化の取り組みとあわせて、児童福祉司、児童心理司の増員を引き続き行うこと。
80.       少子化克服のためにも非正規労働者の正社員化の促進、労働者派遣法の抜本改正を国に求めていくこと。
81.       県内で取り組まれている子ども食堂の多くに、自治体からの支援が届いていない。新たな支援のあり方を検討するなど、さらに取り組みを強化すること。
 
(6)すべての子どもに学ぶ権利を保障する教育環境を
 
82.       国に対し中学校にも少人数学級を拡充するよう求めるとともに、定数改善計画の改定と、正規教員の大幅増を求めること。
83.       オンライン授業の推進にあたっては、教師たちの教材づくりの環境整備、ICT支援員配置などオンライン授業で発生する様々な問題に対処できるサポート体制の整備も行うこと。
84.       ギガスクール・サポーター、ICT支援員の継続を国に働きかけること。
85.       国に対し、学校司書、栄養教諭、栄養職員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの定数化を求めるとともに、県独自にも大幅増員に努めること。
86.       教員採用試験の補欠合格者全員の採用をふくめ、新年度の正規教員採用を増やし、学級担任をふくめて臨時任用講師の欠員を必ず解消すること。
87.       県職員の定数改善計画のなかで、県立学校における教員以外の定数改善目標を掲げることはやめ、学校現場の多忙化解消に取り組むこと。
88.       教職員を増員し、多忙化解消に取り組むこと。部活動の休みの日を積極的に導入し、子どもと教員の休息を保障すること。部活動指導員の活用を積極的に推進すること。部活動の地域移行を、関係者の意向を踏まえ進めること。
89.       教員の多忙化解消のため専科教員の配置をさらにすすめること。
90.       小中学校の事務職員採用枠を、県立学校とは別に設定し、短大・専門学校卒業資格者でも応募できるものとすること。
91.       県立学校における臨時任用職員のなかで、新年度、5年以上継続してその職にあるものが希望すれば正規職員として採用すること。
92.       学校図書館の図書購入予算を確保し、計画的充実に取り組むこと。
93.       県立学校の図書館司書の正規化、専門化を引き続き推進すること。
94.       特別支援学級の定員8人の引き下げと、教員の配置基準引き上げを国に働きかけること。
95.       小中学校の耐震化と、特別教室へのエアコン設置が一日も早く完了するよう、市町村を支援すること。
96.       コロナ禍を機に、全国一斉学力テストの中止を国に働きかけること。
97.       18歳選挙権の実施をふまえ、高校生の政治活動の自由を不当に規制することがないよう、憲法にそった対応を県内高校に促すこと。
98.       県学校給食会が数値目標を持ち、県内産食材の使用拡大に積極的に取り組むこと。
99.       国立大学の運営費交付金削減に反対するとともに、大学での軍事研究を推進しないよう政府に働きかけること。
100.     スクールソーシャルワーカーへの手当を増額するとともに、県内養成機関を確保し、人材の育成に努めること。小中学校への配置をさらに拡充すること。
101.     不登校児童のためのフリースクールやフリースペースについて、財政支援を含めた取り組みを強化すること。利用者の財政負担を軽減すること。
 
(7)公共交通の充実と住みよい町づくりを
 
102.     新幹線建設費の地元負担と、並行在来線のJRからの経営分離のスキームの見直しを、引き続き国に働きかけること。
103.     並行在来線関係道県連絡協議会とも力をあわせ、並行在来線への財政支援の充実を国に働きかけること。旅客車両の充実に取り組むと収入減となる現在の貨物線路使用料の制度改善も働きかけること。
104.     あいの風とやま鉄道の新駅設置、各駅のバリアフリー化、エレベーター設置を含む駅舎改善などに支援すること。トイレを車いす対応にするなど、改善に支援すること。
105.     あいの風とやま鉄道の石動駅での折り返し運転による高岡以西の増発や、豪雪時の県内運行が可能となるよう、県が積極的に支援すること。
106.     JR西日本の無人駅構想について、地元に対する丁寧な説明と、無人化やトイレの廃止などを行わないよう再検討を求めること。
107.     城端線、氷見線のLRT化の検討にあたっては、JR西が赤字「枝線」を地元自治体に押し付けるものとならないようにすること。
108.     市町村バス、コミュニティバス、デマンドタクシーへの財政支援を強化すること。
109.     観光客の利用促進など、乗客確保に努め、県営渡船のサービス水準維持と運行継続に取り組むこと。
110.     音響式信号や歩道の点字ブロック設置などのバリアフリー化を進め、障害者にやさしい町づくりを推進すること。
111.     空き家対策を強化し、自治体が行う特定空き家の解体費用への支援を拡充すること。
112.     県営住宅退去時の入居者の負担が過大であり、見直しを行うこと。
113.     県の買い物困難者支援事業の対象を運営費にも拡大すること。
114.     県外からの移住・定住促進事業に関しては、移住者が地域になじみ定着できるよう、各年度の定着率も掌握し、困難解決のために市町村と協力して取り組むこと。
115.     JR高山本線の富山駅発笹津・猪谷方面行の列車のうち、特に夕方八尾駅止まりとなっている3本について、笹津・猪谷まで延伸するよう働きかけること。
116.     あいの風とやま鉄道の富山・東富山間の新駅建設については、駅東側とともに、西側についても駅前広場と駐輪場、アクセス道路への歩道空間確保を行うこと。
117.     路面電車の低床車両に対応した軌道除雪が求められており、道路管理者と交通事業者がしっかり連携をして対応するすること。
118.     住友運河の遊歩道に、公衆トイレを設置すること。
 
(8)生活密着型・維持補修型の公共事業予算確保を
 
119.     県道の歩道空間確保、維持・補修、バリアフリー化のための予算を増額確保すること。
120.     橋梁の老朽化対策、計画的更新のための予算を増額確保すること。
121.     PFIについて、発祥国イギリスが「通常の公共入札より40%割高」とし、ヨーロッパ会計監査院も「広い分野で集中的に使うべきではない」と勧告した。公の施設を大手企業の利潤追求の場とし、低賃金の雇用を拡大し、地元企業を事業参入から排除することにつながるPFI事業の採用は行わないこと。
122.     公園PFIは企業の利益確保が優先されて、全国で樹木の伐採や自然破壊のホテル建設などが進むなど問題となっている。導入を見直すこと。
123.     富山市中心市街地再開発事業は、民間の再開発ビルに多額の税金を投入するもので、地元商業者の活性化にはつながっていない。県からの補助金は見直し、地元商店の知恵をいかした富山らしい町づくりを支援すること。
124.     国土交通省による利賀ダムの再検証作業は、ダムの治水効果や地滑りの危険の再検証がまともに行われておらず、再検証に値しない。利賀ダムの本体建設は見直すこと。
125.     利賀ダム建設における大豆谷地区、利賀地区などの地すべり対策について、責任を負う者としてより厳しい対策を国に求めること。
126.     北アルプス横断道路構想を新総合計画から削除し、期成同盟会などと粘り強く協議すること。
127.     蓮町の元県有地については原告側と十分協議して和解をめざし、買い戻して地域のために活用すること。
128.     富山市蓮町の旧クラレ宿舎は、浦辺鎮太郎作品で唯一残っている貴重な建物であり、産業遺産の一つとして保存すること。
129.     旧県立近代美術館の建物を保存し、県立歴史博物館等に活用を検討すること。
130.     用水事故死ゼロに向けて、防護柵の整備をはじめ策定された安全対策ガイドラインに基づいてすみやかに実行力ある対応をとること。
131.     県営住宅の維持・修繕予算を増額し、住環境を改善するとともに、家賃の減免制度を積極的に周知・運用すること。
132.     県内業者への発注を条件とする住宅リフォーム助成制度を作ること。
133.     県公契約条例を制定し、下請け企業の従業員の賃金を引き上げ、県内の賃金底上げをはかること。
134.     都市計画道路東岩瀬線の国道8号から北側の融雪装置について、道路拡幅後も活用していくよう再検討すること。
135.     豪雪時に車道除雪による排雪が積み上げられ歩道除雪ができないという事態が生じた。改善すること。
136.     盛土対策について、国に建設残土の処分を規制する法律の整備を求めるとともに、本県においても条例の制定や機動的に対処できる体制整備をすすめること。
 
(9)防災対策の抜本的強化を
 
137.     志賀原発の敷地内活断層の可能性及び、周辺の断層との連動の可能性など、原子力規制委員会の指摘を真摯に受け止め、北陸電力が志賀原発の廃炉を決断するよう働きかけること。
138.     原発から30キロ圏外の原子力防災計画を示すよう、国に働きかけること。
139.     原子力防災訓練への住民参加を大幅に増やし、避難訓練手順の説明をわかりやすく改善するなど、より実効性ある訓練に近づけること。
140.     北陸電力との間で、原発立地自治体と同水準の原子力防災協定の締結を急ぐこと。
141.     邑知潟断層帯、森本・富樫断層帯、砺波平野断層帯の被害予測を受けて、県西部自治体の防災対策を支援・強化すること。
142.     東大地震研究所による日本海地震・津波調査プロジェクトの調査結果を受けて、国の地震調査研究本部による評価が早急に公表されるよう、働きかけること。
143.     富山湾津波シミュレーション調査の結果にもとづく、市町村の津波避難計画策定を支援すること。
144.     木造住宅耐震化のため、耐震補強の補助上限100万円への引き上げを確実に実施するとともに、耐震診断とあわせて精密診断への補助も行い、耐震化を強力に推進すること。
145.     庄川河川の和田川との合流部整備について、国に早期の事業着手を働きかけること。
146.     河川改修・側溝改修など洪水対策のための予算を増額確保すること。
147.     「避難スイッチ」が入るには普段からの危機意識が大事とされており、富山県における地震発生の最大リスクを県民に率直に伝えること。
148.     自主防災組織の資器材整備への財政支援、防災講習会、訓練への防災士、防災アドバイザー派遣を拡充すること。
149.     防災士の養成について。各町内会ないし各自主防災組織に1人をめざし急ぐこと。また、地域だけでなく学校や保育所、企業、事業所においても防災士が必要と位置づけること。
150.     災害避難場所に指定されている学校や公共施設を高齢者や日常生活困難者が不自由なく避難生活できるようにバリアフリー化を推進すること。また、コロナ感染対策を強化すること。
151.     避難所となる小中学校の体育館にエアコンを設置すること。
152.     災害時要援護者について。自宅から福祉避難所への直接避難、個別避難計画の策定への福祉専門職の参画を進めること。
153.     福祉避難所の確保と、受け入れ体制の整備をすすめること。
154.     「屋根の雪下ろし」への災害救助法適用について、市町村が迅速な判断ができるように、積極的に運用できる環境づくりをすすめること。
155.     警察犬の能力向上をめざし、優秀な訓練士の確保、訓練場所の確保、委託・出動に対する謝礼の引き上げに取り組むこと。
 
(10)気候変動対策など、豊かな環境を未来につなぐために
 
156.     水力などの再エネ先進県として全国に先駆けて石炭火力からの脱出をめざすこと。
157.     市町村の温暖化対策「地方公共団体実施計画・事務事業編」、「区域施策編」の策定について、積極的な目標と計画づくりを支援すること。
158.     県ゼロ・カーボン戦略の検討にあたっては、県内企業が省エネと再エネ導入に取り組むように働きかけ、積極的な目標の設定を行うこと。
159.     2025年までのできるだけ早い時期に、県有施設が使う電力を100%再生エネルギーで賄うとの決意で、富山県として「再エネ100宣言REアクション」に参加すること。
160.     新設県有施設についてはゼロ・エネルギー化を目指すこと。既存県有施設の断熱化、遮熱化、省エネ化改修を進めること。
161.     新県庁エコプランにおいて再生可能エネルギーの計画を位置づけること。
162.     県内の既存住宅に対する断熱化、省エネ化のリフォーム助成を検討すること。
163.     「分散型エネルギーシステム構築」プロジェクトを、各地域で意識的に取り組む人材の育成も重視して進めること。
164.     県廃棄物処理計画においてプラスチックごみの現状と削減計画を具体的に示し、県民に削減の緊急性をアピールすること。
165.     木材・間伐材のペレット化やバイオマス資源化を促進すること。
166.     立山黒部ジオパーク協議会と協力し、水環境の保全に取り組み、世界ジオパーク認定をめざすこと。
167.     県立イタイイタイ病資料館の運営予算を拡充し、事業の充実、来館者増をはかること。
168.     富岩運河のダイオキシン類対策は、汚染土壌の浚渫、無害化部分を拡大する方向で取り組むこと。中島閘門下流の対策計画を早期に示すこと。
169.     生物多様性地域計画の普及、実施に積極的に取り組むこと。
170.     農業肥料用カプセルの代替製品の開発を農業研究所等で進めること。
 
(11)日本国憲法に沿って住民が主人公の富山県を
 
171.     県内公立学校での非核平和教育を重視し、広島・長崎への派遣事業や、被爆者、被爆2世、戦争や空襲体験者の語り部派遣の規模を広げること。
172.     非核平和県宣言の具体化として、県としての企画を充実させること。「戦時下の暮らし展」の予算や開催箇所を増やすとともに、富山大空襲や県内被爆者に関する展示、ボランティア解説者の採用など、企画の充実をはかること。
173.     自衛隊の海外での武力行使に反対し、平和安全関連法制の廃止を国に働きかけること。
174.     富山大空襲の資料の収集と保存、資料館の建設、戦災復興記念像の爆心地への移設などに富山市と協力をして取り組むこと。
175.     マイナンバーカードの取得強制など、マイナンバー制度の運用拡大を行わず、個人のプライバシーを守ること。
176.     住民税課税通知書へのマイナンバーの記載は、行わないこと。
177.     デジタル化は、「個人情報とプライバシーを保護しつつ活かす」というルールをしっかり据えたうえで進めること。
178.     自治体デジタル化における「システムの標準化」が、市町村独自の住民サービス展開を阻害することのないよう国に求めること。
179.     市町村と協力し、投票箇所の増設、バリアフリー化を推進すること。
180.     県パートナーシップ制度の普及に取り組み、ジェンダー平等を推進すること。
181.     男女の賃金格差を数値化して広く示し、解消を働きかけること。
182.     男女の賃金格差を是正するために正規雇用率の拡大、ケア労働の賃金底上げの課題に取り組むこと。
183.     選択的夫婦別姓制度の法制化を国に求めること。
184.     学校教育におけるジェンダー平等の取り組みを進めること。
185.     道州制をめざす動きに反対し、地方自治の拡充をめざすこと。
186.     憲法9条改悪、「敵基地攻撃能力」の検討の動きに反対し、自衛隊が専守防衛の立場に徹することを政府に求めること。

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