新庁舎建設の工事入札が成立-市民の意向を確認すべきだった
7月14日、4回目の入札が成立しました。いよいよ現新庁舎整備計画は着工の段階に進むことになります。
しかしその前に、広く市民の共感がえられているのかどうか、世論調査方式による市民意向確認調査をおこなうべきだったと考えます。
昨年の秋に日本共産党がおこなった市民アンケートの結果は8割の方が「白紙に戻す」あるいは「修正」を望んでいるというものでした。現在の計画に納得しておらず「建てるならもっと良い場所に」、あるいは「既存庁舎を活用し事業費を抑えてほしい」と多くの市民が考えている可能性があります。
また、建設推進側から「市民としての一体感」のためにも進めなければならないとする意見が出ました。たしかに「市民としての一体感」を進めることは、次の世代に射水市を引き継ぐ私たちに課せられた重要な課題です。しかし、庁舎は建てさえすれば「一体感」のシンボルになるというものではありません。逆に、旧5市町村それぞれの地域の共感がなければ、「一体感」を阻害するシンボルにさえなりうるものです。
建築主体工事の落札率は99.4%。入札の競争性は発揮されたのか
新庁舎の建築主体工事と機械設備工事の入札に参加したのはそれぞれ1つの共同企業体のみでした。それでも市当局は「競争性が確保され入札は成立する」としています。しかし、建築主体工事では予定価格約43億円(事前に公表)に対し落札金額は約42億7千万円で99.37%の落札率、また機械設備工事の落札率は99.97%でした。結果は競争性が発揮されたとはとても思えないものです。
建築主体工事を落札者した共同企業体に、市長と担当行政に深いかかわりをもつ企業が参加
建築主体工事を落札者した共同企業体の構成員(3社)に、市長と担当行政に深いかかわりをもつ市内企業が参加しています。この企業の経営者は市長の政治資金管理団体の会長といわれ、また市の「新庁舎整備基本構想」を答申した検討委員会の委員長を務めました。
建築主体工事の単価アップを理由に事業費を10億円増額しましたが、今回の結果はこうしたことが公正だったのかという疑いを生じさせかねないものです。
「津本ふみおレポート」 №150 2014年7月27日