広範な市民の共感があってこそ市民のシンボルに。
10億円増額してでも現在の新庁舎建設計画を進めるのかどうか、6月2日の臨時議会で問われました。「市民としての一体感」のため新庁舎を進めなければならない、といった意見が賛成側の討論で出ました。しかし、建てさえすれば「一体感」のシンボルになるというものではありません。逆にそれを阻害するシンボルにさえなりうるものです。庁舎建設で最も大事なのは、すべての地域の共感、広範な市民の共感です。
市民が願っているのは、「新庁舎を建てるならもっと良い場所に」、「既存庁舎を活用し事業費を抑えてほしい」。
現計画はもっぱら市長と議員の間で固められたものです。その後、市長が各地域に説明にまわったものの市民の多くは納得していません。昨年私たちがおこなった市民アンケートでは「白紙に戻してほしい」、「計画を修正してほしい」が8割を超えました。
合併特例債の期限は5年間延長、まだ見直す余裕があります。
今ならまだ間に合います。いったん建ててしまえば70年、80年間は建てなおすことはできません。市民の声を確認してから建てても遅くありません。
① 市民の声にこたえ「新たな土地」で建てるケースも検討を。
「もっとよい場所にしてほしい」といった声が多く聞かれます。「新たな土地」で建てても事業費は増えません。現計画のように敷地の狭さから高層にする必要がなくなるため、割高な免震構造ではなく耐震構造の採用で、逆に建設費を抑えることができます。また関連事業である大島中央公園での駐車場整備(3億7千万円)が不要になります。
② また、現在の庁舎はまだまだ使えます。これをいかして庁舎統合をすすめれば事業費は大幅に抑えられます。
工事費が急騰しているのは建物の躯体部分(柱・床・梁)です。氷見市のようにこの躯体部分をいかしリフォームをする大規模改造をおこなえば、工事費は新築より大幅に抑えることができます(庁舎は新築同様に生まれ変わります)。そして5庁舎間で統合をすすめれば合併特例債も使えます。私はこの道がもっともよいと考えています。
もっとも古い新湊庁舎でも築50年、庁舎の躯体はまだまだ使えます。
名古屋市が市の全施設を調査したところ「80年以上持つのも少なくない」、金沢市では「庁舎は築50年だが、躯体はまだ50年は使える」という結果でした。最近、文科省も学校の長寿命化で耐用年数を70年としました。
「見直し」を求める市民3,057人の請願に賛成しました。
計画見直しを求める市民の請願に、小島議員とともに賛成しました(他の議員の反対で否決となりました)。また、事業費の10億円増額に反対しました。
「津本ふみおレポート」№147 2014年6月15日