後退する「地区窓口」のサービス
新庁舎の開庁とともに、各地区の「行政センター」は「地区窓口」に移行するが…
来年秋の新庁舎開庁とともに、現在、各庁舎の行政センターでおこなっている窓口業務も再編されます。
このことは新庁舎建設問題とともに議論されてきました。当然に新庁舎で必要なすべての窓口業務をおこないますが、「市民の利便性を確保」するため、庁舎が廃止される新湊、小杉、大門、下の各地区においては地区窓口を設置し、これまで行政センターでおこなってきた窓口サービスを基本的に引き継ぐことになっています。
高齢者など交通弱者についての配慮をとりやめ。「引き続き、地区窓口で提供する」とのこれまでの方針を転換
これまでの議論で市当局は、たとえ専門知識が必要な窓口サービスであっても、高齢者や障がい者など交通弱者が対象となる窓口サービスについては「引き続き身近な各地区窓口でサービスを提供する」と繰り返し言ってきました。
しかし、ここにきて突然、方針を転換し後退させようとしています。
今年5月の市広報に「地区窓口のサービスの基本概要」を掲載。6月市議会において「交通弱者が対象となる窓ロサービスについて今後も地区窓口で提供されるのか。納税相談はどうなるのか」(津本)と確認をもとめた質問に「新庁舎での担当職員が対応することがより適切と考える」と答弁。地区窓口では受け付けず本庁(新庁舎)で受け付けるとしました。
交通弱者に本庁(新庁舎)まで来いと言うが、どの地域からもコミュニテイバスでスムーズに行ける?
自動車を使わず新庁舎に行こうとすればコミュニテイバスなどに頼らざるをえません。しかし、コミュニテイバスは複雑なパズルのようになっており、高齢者にとって分かりづらく、乗り継ぎもスムーズにはいかないのが現状です。
なぜ「本庁(新庁舎)の担当課で」なのか。「多岐にわたり専門知識や高度な判断が必要だから」というのが理由です。しかし、これまでも担当課と連絡を取りあいながら行政センターでやってきたはずです。また今年3月市議会において、「(高度な判断が必要なケースについても)担当課とつながるテレビ電話を設置し地区窓口でも対応できるように」との私の提案に対し、「テレビ電話などの活用も一つの方法と考え確保していきたい」としていたはずです。
「津本ふみおレポート」No.160 2015年8月9日